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代表 當原 容一郎(とうはら よういちろう)
「うちの子は本当に言うことを聞かなくて困っているんです・・・」
そう悩まれている親御さんも多いことでしょう。
そういうお子さんがデザイン教室に入ってくることもあります。
先生の言うことも聞かないので、勝手に教室の物に触ったり、歩き回ったり、ふざけたりでその子を席につかせるだけでレッスンが終わってしまいそうです。
私も
「もう来なくていい!」
という言葉が喉まで出かかったことも何度もあります。
ただよく観察すると、「言うことを聞かない子」が「デザインができない子」ではないことがわかります。
いえ、むしろそういった子が「面白い作品」を作ることが多いのです。
技術的な基礎練習はきちんと話を聞いてやる方がいいのですが、「発想」という点では少し異なります。
例えば「今日は紙粘土で牛を作りましょう。牧場にいる白黒の模様の牛ですよ。模様の付け方は先生が教えます。」という課題の日、真っ黒な牛を作って「黒毛和牛」という子がいました。
牛を作るのは聞いていたのか周りを見てわかったのか間違っていないのですが、「白黒」以下を聞いていないのです。
この課題では、「絵の具は粘土にまぜると言っているのに直接描いちゃった子」や「ツノは小さくと言っているのに巨大なツノをつけちゃた子」などもいました。
学校のテスト的な判断ではこの子たちの点数は低くなるはずですが、こういった勝手なことをした作品が非常に個性的で面白いということが多いのです。
逆に先生の言うことをよく聞いて、きちっと課題をこなす子が、「今日はなんでもいいから好きな絵を描いていいよ」と言うととたんに手が止まってしまうなんてこともよくあります。
どちらも個性ですのでどちらがいいという話ではないのですが、「言うことを聞かないで勝手なことをしている」は「周りに影響されず自由に創造している」と言い換えられるのではないでしょうか。
「言うことを聞かない子」、デザインの世界ではそれが才能になります。
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